沿岸海域には,海草や海藻といった植物の繁茂する領域がみられます.これらの植物が成長する際に固定される炭素はブルーカーボンと呼ばれます.それが底質へ埋没したり,深海域の底層などに輸送されることで,長期的な炭素の貯留の役割を果たすことが期待されています.すでに,ブルーカーボンによる炭素固定を二酸化炭素の排出権取引にも組み入れる動きもあります.そのような中で,沿岸海域で生産された海草や海藻が,「どこで,どれだけの量の炭素を,どれくらいの期間貯留するのか」をより正確に評価できるようになることが求められています.私たちの研究室が得意とする安定同位体比等の化学分析技術を活用しながら,ブルーカーボン貯留の評価をより信頼できるものとするための手法開発などに取り組んでいます.(TS)
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